社会問題について四方山とおしゃべり。
10代から50代まで均等に集まったせいか、まるで親戚の寄り合いのようなふしぎと懐かしい感じのするリラックスした会でした。
以下ラウンドテーブルでご紹介いただいた、お薦めの本のリストです。
・『集団的自衛権とは何か』(岩波新書 著:豊下 楢彦)
・『「尖閣問題」とは何か』 (岩波現代文庫 著:豊下 楢彦)
・『レイシズム・スタディーズ序説』(以文社 著:鵜飼 哲, 酒井 直樹, テッサ・モーリス=スズキ, 李 孝徳)
・『大川周明 アジア独立の夢』(平凡社 著:玉居子 精宏)
・『ニヒルとテロル』(平凡社 著:秋山 清)
・『現代日本の転機―「自由」と「安定」のジレンマ』(NHKブックス 著:高原 基彰)
・『「在日」という根拠』(筑摩書房 著:竹田 青嗣)
・『赤瓦の家―朝鮮から来た従軍慰安婦』(筑摩書房 著:川田 文子)
・『出版屋(ほんや)の考え休むににたり』(石風社 著:福元 満治)
主観ながら思うのは、人間は残酷なことに惹かれるということです。
残酷なことや性的なことは、わたしたちにとってベーシックな衝動で、いやだなあと思ってもその衝動の薄まったものや姿を変えたものは、様々なところでわたしたちに生きる楽しみをくれます。
誰もがほほえましく愛らしいと思うコパトーンガール(有名な日焼け止めクリームのマスコット)は、ジョイス・バランタイン・ブランドというセクシーなピンナップ・ガールが専門のイラストレーターが手がけています。
映画などで悪人が最後にこらしめられるのを(それは軽罰から死に至るまで、きわめて感情的な報いのグラデーション)、わたしたちはスカッとしたくて待ち受けます。わたしたちの獣性のかけらがもたらす楽しみです。またワルはモテると言ったように、そのかけらは時として人をやんちゃに魅力的にも見せます。
それらは頭ごなしに批判される種類のものではなく、人間に性質としてあらかじめ備わってしまっているものだから、その上に多くの生きる楽しみがのっかっているのだから、わたしたちは無いもののように抑圧をするのではなく、コントロールをする術を学ぶべきなのでしょう。
映画『四月の残像』で、主人公の弟でありジェノサイドを扇動したラジオDJが、獄中面会に来た主人公に対して言います「誰もが王冠のように良心を見せびらかしに来る」と。ジェノサイドやヘイトスピーチも、特別な人の特別な行いではなく、人間の性質の延長上にあります。映画の悪人の懲らしめられ方に線引きがないように、わたしたちは状況さえ許せばどこまでも残虐になれる性質・可能性を持っています。大事なのは、わたしたち自身が自分の内のそういった衝動を認識することです。そして全体の問題として考えることです。そのためにも教育はあるのだと思います。(S)
映画を教えてくださったKさん、
空腹の中、吉祥寺までお付き合いくださったみなさま、
どうもありがとうございました。
2014.4.6 (sun)「Round table 考える場 #1|映画『四月の残像』を観る」
6名参加。
【関連】
→ Round table 考える場 #1|映画『四月の残像』を観る── ルワンダ・ジェノサイドからヘイトスピーチまで/繰り返すレイシズムとその構造